「記憶に残るような場所にしたい」
企業の顔となるエントランスづくり
訪れた人が最初に出会う場所であるエントランス。それは、企業にとってファーストインプレッションを決める重要な空間です。
2025 年に東京オフィスの移転を実施した「アミタホールディングス株式会社(以降アミタ)」。新オフィスの顔となるエントランスに設置される受付カウンターとベンチを「kinema design」が手がけました。
製作を依頼した長谷部さんに、依頼の意図や背景、空間づくりに込めた想い、そして今後の共創の可能性などについて話を伺いました。

企業理念を表現してくれる
パートナーを求めて
もともとのオフィスがとても手狭で、人を呼ぶのもはばかられるような状態だったという長谷部さん。コロナが収束し、リモートからオフィスワークへの移行が進むなか、他企業との連携事業も立ち上がり来客も増えてきたそう。
心機一転、快くお客さまを迎えられるようにと、オフィス移転とそれに伴う内装プロデュースを任されることになりました。
「新オフィスのコンセプトは、アミタの企業理念である『持続可能な未来づくり』を表現することと、『人間関係資本』が生まれる場所にすること。そして、それをこれまでの人の繋がりで作ることでした」と長谷部さん。
そんな中、オフィスの顔とも言えるエントランスについての相談が「kinemadesign」代表の出口に持ちかけられました。「もともとアミタで働いていた出口さんなら、企業の理念やコンセプトを深く理解してくれているので、ぜひお任せしたいと思ったんです」。

当初、長谷部さんから聞いたオフィス改装のコンセプトは「和のテイスト」というざっくりしたもの。これは出口とも親交があるアミタ熊野会長の意向でした。それをうけ、最初に提案した企画は残念ながらNG。なぜなら、
すでに会長の頭の中には明確なイメージがあったからです。
アミタ本社所在地の京都にある「風伝館(ふうでんかん)」は、交流や情報発信を目的にしたコミュニティスペース。2 階建ての京町家を改装したここには、以前出口が手がけた格子状の木製ベンチが設置されています。会長の頭の中にあったのは、まさにこのベンチだったのです。

完成像への解像度が高まり、製作は急ピッチで進められました。使用した木材は、風伝館と同様に京都北部の桧。「桧舞台」という言葉に象徴されるように「ハレ」の木材である桧の柾目を使用、企業の顔としての品格を表現しました。
そして木材の仕入れ先は、出口と同じ元アミタ社員の伊藤さんが営む伊藤木材。これもまた「繋がり」の表現のひとつです。
実は、オープンまでの日がなく、かなり短納期だったという今回のオフィス移転。内装業者に対しては、何度も図面の引き直しを依頼し細かい調整を繰り返したそう。
「もしエントランスの家具を出口さんじゃなく内装業者に丸投げしていたら、きっと『それっぽい』ものが出来上がってしまっていたと思います」企業理念や会長の意図を理解し、短納期ながらもこだわりに寄り添って対応してくれたことが、とても嬉しかったといいます。
記憶に残り、繋がりが生まれる空間へ
完成品がエントランスに設置されたとき「これは良いものができた」と直感した長谷部さん。
最初は、都会のど真ん中のビルに和のテイストや京都らしさが馴染むのか心配していましたが、実際に配置してみればそれは杞憂でした。オフィス全体の雰囲気をまとめる存在感に、会長の評価も上々だったといいます。

